2008年06月07日

レベル サーティーン(LEVEL十三)

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★★☆☆☆
映画のストーリー:

楽器会社の営業マンであるプチット。
客先を回るが、商品を売る事が出来ないばかりか、狡猾な同僚に先をこされる始末。

そんな成績不振の彼は、突然、会社を解雇されてしまう。
借金を重ねて破産寸前、しかも、故郷の母からは金を送るように言われているのに。

最悪な状況に困り果てるプチット。

そんな彼の携帯に、不可解な一通の電話が。

相手が誰かは分からない。
不審に思いながら、電話をとるプチット。

サラリーマンのような口調。丁寧な印象。

電話の主が告げる。
プチットがゲームの参加者として選ばれた事。
ゲームを一つ、クリアーするたびに、大金が振り込まれるという事。
13のゲームがあるという事。

不審な電話をいぶかるプチットだったが、最初に出された指令はとても簡単なものであった。

「新聞紙でハエを潰す事。」

簡単な指令をこなした後、本当に賞金が入っている事をプチットは知り、ゲームへと はまっていく――。

13のゲームの内容とは?
ゲームを仕掛けた者の正体は?
最後に、プチットを待ち受ける運命とは?


映画の感想:
携帯電話で指令が下り、それを遂行すると、大金が入るというアイデアは面白いと思いました。
ひとつ指令をクリアーすると、レベルと難易度も上がっていき、最後のレベル13を達成すれば、ゲームクリアーというものです。

しかし、その指令はお世辞にも、品があるとは言えません。
指令には、ハエを食べろとか、大便を食べろといったものが含まれるのです。
この点を残念に思います。

また、この映画はタイの映画なのですが、私には演出、演技がコメディータッチに見える部分が少しあって、その点にちょっと違和感を感じました。

さて、怖い系 大ヒット映画のSAWは、アイデアだけでなく、観客の心に訴えかけるメッセージがあったのも、大ヒットになった一因のように私は思います。

そのメッセージとは、
―― 貴方は恵まれている。健康なのだから。それなのに一生懸命生きていないじゃないか。貴方は本当に、それで良いのか ――
といったものです。

そこで思ったのですが、レベル サーティーンも、もっとメッセージ性を強くしたらどうかと思いました。


例えば、次のように、指令の内容を「良い事(人助け)を行う」に限定したらどうかと思いました。

―― 以下は、この点を踏まえ、私が勝手に考えた仮の話です。


仕事も無く、借金まみれ。頼れる人もいない。
不幸のどん底にいる主人公。

そんな主人公の携帯に、一通の電話。
不審に思いながら電話に出ると、まるで周波数の合っていないラジオのように、ノイズだらけの、不可解な音声。
相手が誰か、見当もつかない。
分かった事は、電話を通して指令が届き、それを遂行すると、大金が手に入るという事。
指令の内容は、人助けに限定されるという。

自分にいったい何が出来るというんだ?
自暴自棄になりながら、心の片隅では、まだ、何かにすがりたいと思っている。
そんな気持ちから、不審に思いつつも、言われるとおり、行動してみる。

汗を流し、指令を遂行した直後、また、あのノイジーな電話。
「おまえの欲しがっていたものが、手に入ったはずだ。」
銀行の残高を確認すると、確かに金が増えている。

これは本当なのか? 騙されているのではないか?
電話の声は、神の声か? 悪魔の声か?
様々な思いが交錯する。

――――――

再びノイジーな電話。
新たな指令が下される。
不信感はぬぐえないが、今、自分に出来る事は、指令に従う以外に無い。
だから、行動する。

こうして指令をひとつひとつこなしていくうちに、彼は次第に気付いていく。

「ありがとう」と感謝される喜びに。
人から必要とされている喜びに。

―― 人間の価値は、窮地に陥った時に、どう振舞うかで決まるんだ。
だから、今の自分は、本当に良い事をしている。そして、己の高潔さを証明しているんだ。――

いつの間にか、そんな思いを胸に抱きながら、指令を遂行していく主人公。

やがて彼の前に、試練が訪れる。

――――――

おまえのやっている事は偽善だ!
主人公に詰め寄り、ののしる人が現れる。

確かに、自分は指令に従っただけだ。
しかし、ただただ良かれと思って、納得してやってきたんだ。
それが偽善になるのか? 自分は偽善者なのか?

悩む主人公に、また、ノイジーな電話。
強制的に、一方的に、新たな指令が下される。

気持ちが定まらない。力が入らない。
それでも、ただただ行動する。
今の自分には、それしかできないのだから。

なんとか指令をクリアーした後、主人公は、新たな気付きを得る。

偽善だと言われても、それを行う事によって、助かる人がいればそれで良いんだ。
偽善だと言われても、それを繰り返していたら、いつかは「偽」は無くなるかもしれない。

家族が悲しんでいると、自分も悲しい。 親友が悲しんでいると、自分も悲しい。
友人が ―― 。
他人が ―― 。
意識を広げていけば、結局、他人であっても、助けるしかないんだ。

こうして主人公は、成長していく。

――――――

晴れた心で、次々と、指令を遂行していく主人公。

そんな彼に、再び試練が。

悪党に、今まで稼いだ金を全て騙し取られ、主人公は絶体絶命の状態に。
人の善意を食い物にする悪党がいる事を知り、絶望する主人公。

ボロボロの主人公に対して、ノイジーな電話。
有無を言わさず、強制的に鳴り続け、指令は下る。
拒否をする主人公。

しかし、否応無く、切迫した状況は訪れる。

困っている人が、目の前にいる。

今、助けなければ...。
今、助けなければ、手遅れになる!
今!!!
つい、体が動いてしまう主人公。

無我夢中で指令を遂行した後、彼は思う。
今まで得た気付きに、間違いはない。真実だ。
もう、迷わない。
自分の気持ちに、素直になろう。

――――――

自分と他人。人との関わり。
挫折、絶望、そして希望。

いくつもの指令を遂行し、最後の指令をクリアーした直後、指令の主から一通の電話。
指令の主は、主人公に支払われるべき全ての金を、天災によって困っている人たちへの募金にあてたと告げる。
主人公であれば、そういった行動をとると判断したと、指令の主は言う。

虚空を見つめる主人公。

彼は、どう思うのか。

金が一銭もない事に、悲しむのか?
今までの苦労が台無しだと怒るのか?
金は無くとも、無形の宝が得られた事に気付き、喜ぶのか?

あなたは、どう思うのか?

―― そんなストーリーはどうかなと思いました。
posted by MASAHIDE.TK at 15:42 | 映画








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